1.スケッチ(写生) | かきたいものを、しゃせいします。花や木、動物、山、建物、身近にある野菜やくだもの、 お気に入りのお人形やお友だち、お母さん・・・etc。描きたいものをさがしてみましょう。 お花を描くのでしたら、できるだけたくさん、描いたほうがよいでしょう。 それはなぜかというと、日本画はできあがるまでに時間がかかります。 出来上がるころには、花はかれているでしょう。 そのとき、さんこうにするスケッチはたくさんあるほうが助かるのです。 スケッチはあくまでもメモです。描きたいものを、よく見て、正確に写してゆきます。 どんなところを描きたいのか、美しい・かわいい・やさしい・さびしそう・力強い・ 食べ物ならおいしそう、とか、描きながら感じるものがあるはずです。 ここで感じたこと、発見したことが、本番で生かされます。 |
2.下図(したず)を 組みあわせる |
スケッチをもとに、構図(こうず)を考えます。 空間(=余白)の配分、描きたいもの(モチーフ)の位置を決めます。 |
3.下図を写す | 念紙(ねんし=カーボン紙などです)をつかい、本紙に写しとってゆきます。 |
4.墨でりんかくを描く | 写した輪郭(りんかく)線をたよりに、墨で描きます。 これを日本画では、骨描き(こつがき)と呼びます。 このとき、単に線をなぞるだけでなく、一本一本心をこめて、思い切って引きます。 そのもののやわらかさ、かたさ、しなやかさ、いきおい、などの感じが 心を込めて描くことによって生まれます。 |
5.下地を作る | 膠(にかわ)で溶いた胡粉(ごふん=白いえのぐ)を全体に、ハケでぬります。 白でなく、水干絵の具をまぜたうすい色でぬることもあります。 下地の役わりは、和紙の荒い目をうめてなめらかにし、 このあとぬっていく色がしっかりと画面にくっつくことと、色がきれいに出るようにするためです。 |
6.彩色 | いよいよ絵の具をつかって、描いてゆきます。 はじめは全体に、おおまかな色面を作ります。 ひとつひとつを、いきなり一つの色で細かく塗りこんでゆくのでなく、 バックのふんいきや全体のバランスをとっていくために、色々な色で遊ぶのです。 (「遊ぶ」というのは、なつみかんママが先生に教わったことで、 ここでいかにたくさん遊んだかで、絵の面白みが出てくるのだといいます。 少しむずかしいお話ですが・・・) 岩絵の具は、粒の大きい小さいが色々とあります。 絵の具が「つぶつぶ」であるということは?考えてみてください。 小麦粉のように細かい絵の具ならべったりした感じ、 砂のような荒いものなら、下の色がすけて見えるとおもいませんか? 色を塗りかさねても、下に塗った色がすけて見える特徴を生かして、 出来上がりのときの効果を考えながら塗っていくのも、楽しいことです。 |
7.描き込み | モチーフの色、形、バックの色をはっきり描き出すように、仕上げに近い色を選び 整えてゆきます。 出来上がりに近づくと、早く仕上げたくなってあわてがちですが、急がないことが大切です。 色を重ねるときは、かならずしっかりとかわいてからでなければなりません。 膠は水にとける性質ですが、かわくとしっかり固まります。 ですからかわく前に、次の色を重ねると、ずるずるっと動き、くずれてしまうのです。 膠の濃さも重要です。 ・こい=絵の具をくっつける力が強い。絵の具の発色が悪い(色がにごる) ・うすい= 〃 弱い。 〃 が良い(本来の色に近く、きれい) 下地の色はこい膠、仕上げの上のほうに近づくにつれてうすい膠。 岩絵の具は油絵のように自由がきかず制限され、ゆっくりと色を重ねていかなければならず そのために、計画性もひつようとされます。じっくり描くことです。 |
8.仕上げ | 自分のイメージしたとおりに描けたでしょうか? 少しはなれたところから、何度もながめてみましょう。 全体のバランス・強弱のアクセント。大切なところがしっかり描けているか。 |